音楽が まわっていた頃 3

音楽は いつも まわっていた

ある時は ぐるーん ぐるーん と

ある時は くるくるくる と

 

 

高校時代

友人の一人が CDプレーヤーを 買ったというので

学校の帰り道 悪友数名で おしかけることにした

 

CDというのは それまでの レコードやカセットと違い

やたら ピカピカしていて それだけで 近未来を彷彿とさせた

そして やたら クルクル 高速で回転していた

 

悪友達は 口々に 「わー やっぱ 音がいいなー」

などと 感嘆していのだが

杣は 当時も今も 音のヨシアシなど さほど分かっていない・・・

 

それよりも なによりも 杣が感動したのは

曲の頭出しの 速さであった!

 

レコードは 曲を飛ばしたり 聴きたい曲へ直行するためには

針を上げ 2センチに1回くらいの 租な溝に 正確に針を着地させなければいけない!

緊張で 手がブレようものなら 曲の終わりか途中から ゴゾっと鳴り出してしまう!

 

カセットは もっと難しい!

なんせ 早送りボタンを 押し続け 「ココだ!」という 時間の勘だけで 再生する!

なので 一発で曲間に辿りつけた時なんかは 密かに ニンマリとするほどである!

 

ところが このCDなるものは それを 自動的に 瞬時にやってのける!

そして どうやら 音質は すこぶる良いらしいし

炎のノイズも ウドンのような劣化も無い という近未来の円盤なのである!

 

ちなみに 初めて買ったCDは・・・ 

松本伊代の 「ザ・シングル・ベスト!」 ではない!

イヨはまだ 愛媛県である (しまった・・・オチになってない・・・)

 

・・・・・・・・・・・・・

 

調律の専門学校に行っている頃 恋に落ちた

 

その人の名は バックハウス  

その曲の名は ベートーベン  

そのピアノの名は ベーゼンドルファー

 

音楽史と ピアノ実技の講師をしていた 白川先生に

ベートーベンの全ソナタを レコードからテープへ ダビングしてもらった

ウイスキー1本で その礼を済ませてしまったが 当時の最高の宝モノであった

 

専門学校を卒業して 浜松に引っ越すとき

オヤジが 餞別に CDラジカセを 買ってくれた

これで オレもCDが聞けるぜ!

 

やがて 大好きだった ベートーベンの

ピアノ協奏曲4番や チェロソナタ3番 交響曲7番などを

ピアノを造って貰う薄給で 少しづつ買い始めた

 

嬉しかったなー

 

レコードこそ 下火になっていったが

カセットと CDが 共存していた時代

そんなふうに 音楽は いつも まわっていた

 

 

 ∵ 日 々 創 作  ∴ 時 々 仕 事

 

10/31 動画#73

         「ペンタの大冒険⑱

10/ 1 作曲#115

        「コンダーラ

9/ 3 作曲#114

       「茄子の慟哭

8/20 作曲#113

        「らむね

8/18 動画#72

        「ペンタの大冒険⑰

7/29 作曲#112

        「光合成

6/19 作曲#111

       「??(ハテナッシモ)

6/ 2 作曲#110

       「フェルマータ

5/22 動画#71

        「ペンタの大冒険⑯

5/10 作曲#109

        「震弦地

5/ 9 動画 #70

      「ペンタの大冒険⑮

4/27 録音 #80

        「La Sprezzatura

4/ 3 作曲#108

       「細胞分裂

3/ 4 作曲#107

       「ハレ男

2/10 作曲#106

        「花売娘

1/17 動画#68

       「ペンタの大冒険⑭

1/11 アルバム

   「704

1/ 8 作曲#105

      「ソナチネ