言葉を綴る…
大きな濁流のように 大胆な文言を流し続けたり
静かなせせらぎのように 繊細な言霊に寄り添ったり
創作や回想 説明や批判 そんな言葉達のマエナラエ
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ステマネは勿論、時には楽器解説までこなす調律屋
目立ちたがり屋に思われる風貌とは裏腹に、実はチキンハート
小心者の調律屋が開拓した楽器解説の奥意とは…
(日本ピアノ調律師協会会報147号掲載 2012.3)
「精霊の踊り」
亡き母の演奏の記憶を頼りに、毎朝オルガンを弾く少女アンナ
しかし、その演奏には、森の精霊達が活躍しているのだった…
森の中にある小さな礼拝堂で少女を見守る神父のファンタジー
(日本ピアノ調律師協会会報146号掲載 2011.11)
「水冷のスゝメ」
2011年 大地震が日本を変えた
猛暑であっても、冷房も扇風機も使わない調律屋には
自身の人体実験によって確立した避暑策があった…
(日本ピアノ調律師協会会報145号掲載 2011.7)
「・・— ・・・ ——— 」
ソウルの世宗文化会館に北朝鮮の調律師がやってきた。
彼の調律の打鍵音は不規則で…なんとモールス信号だった。
私はモールス会話をしながら、彼の正体を知ってしまうのだが…
(日本ピアノ調律師協会会報143号掲載 2010.11)
「ゾウの恩返し」
ウィーン在住のピアノ製作家ルートヴィッヒは
アフリカに駐在している旧友モーザンからピアノ製作の依頼を受ける。
そしてモーザンはナイル川の氾濫から一命を取り留めたのだが、それは…
(日本ピアノ調律師協会会報142号掲載 2010.7)
サッカー少年が調律学校で いきなりクラシックの世界へ
それでも それぞれの時代を支えてくれたベートーベン
酔いしれてゆく 彼の曲と愛酒の変遷…
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「102の怪人」
偽りの調律依頼が 度々寄せられるようになった。
電話だけでなく FAXの文字までも似せた偽依頼書が舞い込む
ある日 偶然 犯人を突き止めることが出来たのだが それは怪人だった…
(日本ピアノ調律師協会会報127号掲載 2005.7)
「広すぎる部屋」
調律師の飼っている猫が書いたファンタジー
父ちゃんが一番好きな部屋に、まだ名前は無い
ある日、その部屋へ入って、ようやく名前をつけたんだけど…
(日本ピアノ調律師協会会報124号掲載 2004.7)
25番の羊の背で育った羊毛ログは、フェルトウェッジとなり
77番の羊の背で育った羊毛ナナは、ハンマーとなり
あるピアノの中で奇跡的な再会を果たすのだが…
(日本ピアノ調律師協会会報122号掲載 2003.11)
「緋い音」
封印していた記憶がピアノの音で蘇ってくるサスペンス。
新居で順風満帆に生活が展開していた恵美子だったが
調律の音を聞いてるうちに、重たい記憶の扉が少しずつ開いて…
(日本ピアノ調律師協会会報121号掲載 2003.7)
どうして調律師になったのですか?
調律師なら誰でも聞かれるこの質問に、ある友人は語ってくれた。
コンペイトウがね、星になってね、ヒトデになって帰ってきたから…
(日本ピアノ調律師協会会報120号掲載 2003.3)
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「隈の釜山」
2002年秋、車にチェンバロとフォルテピアノを積みこんで海峡を渡り
ソウルでコンヴェルスム・ムジクムのコンサートが成功する。
しかし、その裏では、国内で経験しない数々の難関と対峙していた…
(日本ピアノ調律師協会会報119号掲載 2002.11)
「G線上のコリア」
コンヴェルスム・ムジクムの初韓国ツアーのレポート。
2台の楽器を積んでソウル市内をあっちこっちに移動し
行く先々で、素晴らしい聴衆の拍手に包まれて…
(古楽情報誌アントレNo143号掲載 2002.11)
「乙女の祈り」
夏のお盆に行った調律先で起こる牧歌的ホラー
毎年同じ日に、別の調律師が担当しているピアノに遭遇
調律を終えて、線香の煙の中を通り過ぎて行った乙女の正体とは…
(日本ピアノ調律師協会会報118号掲載 2002.7)
「PPPに気をつけろ!」〜祝・KAPT創立20周年に寄せて〜
西暦2032年の東京で、ある調律師へインタビューが行われた
韓国調律師協会から派遣された韓石圭の前には元PPPの工作員が!
日本ピアノ調律師協会を破滅へ導こうとしていたPPPの正体とは…
(日本ピアノ調律師協会会報117号掲載 2002.3)
「チビクロ三度 〜アンドレアス・ヘフラーの日記帳より〜」
百年前の調律師アンドレアスが思いを寄せていたクララ親子の為に
大活躍したアンドレアスだったが、それが原因でクララは…
私が最初に造った楽器のモデルになる19分割鍵盤のチェンバロが登場!
(日本ピアノ調律師協会会報116号掲載 2001.11)
「G戦場のコリア」
ケソンという街で造られたという完璧なピアノ“ユリサンジャ”
その音に魅了され韓国へ旅に出るのだが、そこで響いたのは…
初めて訪れた朝鮮国境の板門店を舞台にしたフィクション
(日本ピアノ調律師協会会報115号掲載 2001.7)
「ねずみの恩返し 〜アンドレアス・ヘフラーの日記帳より〜」
調律師アンドレアスは、トーマスおじいさんから不可能な依頼を
引き受けてしまうのだが、その窮地を救ってくれたのは…
ドイツの小さな街を訪れて、ようやく完成したファンタジー
(日本ピアノ調律師協会会報113号掲載 2001.1)
平成12年 真夏の東海道を京へ歩き始めた調律屋と
ヤマハの創始者“山葉寅楠”が時空を越えて箱根で交錯
“当たり前”に隠された重さは幾ばくのものだったのか…
(日本ピアノ調律師協会会報112号掲載 2000.9)
「ピアノ色のメガネ」
自身が経験したピアノ以外の鍵盤楽器と向き合った頃の葛藤
そして新しい鍵盤楽器の発想などが混ざったフィクション
ある調律師が300年後の調律師からメールをもらうのだが…
(日本ピアノ調律師協会会報111号掲載 2000.4)
「鍵盤の影の中で」
ピアノとチェンバロ、どちらも扱う技術者として仕事をしていると
“鍵盤”というのが実はすこぶる特殊な存在であることを痛感する。
鍵盤楽器の限界に対峙しながら、“無”へ進路を向けるその理由とは…
(日本ピアノ調律師協会 関東支部9班会報掲載 1999.3)